面談や1on1へのハードルを下げるために
研修・育成において、新人・後輩の話を聴くために面談や1on1を実施することがあるかと思います。
その面談や1on1、新人・後輩は安心してその場に臨めてますでしょうか?
その時間を迎えるのが憂鬱になったりはしていないでしょうか?
この記事では、筆者の経験、筆者が周りから伺った話から、下記について検討してみます。
- 面談や1on1の時間への安心に繋がる要素
- 面談や1on1の時間を迎えるのが憂鬱になる要素
面談や1on1
面談や1on1の場の捉え方は様々あるかと思われますが、筆者は「職場における非日常の場」と位置づけています。
- 普段の業務の流れでは話せない話が出来る
- 周囲の目や耳を気にせずに話せる
- 仕事以外の話になったとしても、受け止めてもらえる
このような要素から、面談や1on1は普段の業務から離れた非日常の側面が強いと考えます。
そんな場を安心して迎えてもらうための工夫を検討していきます。
面談や1on1の時間への安心に繋がる要素
- 話すか話さないかの主導権が、新人・後輩にある
- 事前準備が不要である
- アドバイスやフィードバックを受け取るかどうかの選択権が、新人・後輩にある
面談や1on1、上司や先輩に時間を取ってもらっているのだから、何か話さなければいけない、と考える人もいるかと思います。
そのようなイメージを持っていると、面談や1on1の時間が近づくと、話す内容を考えておかないと、とプレッシャーになるかもしれません。
面談や1on1を実施する中で、下記のようなことを伝えることで、肩の力を抜いて臨んでもらえるようになるのではないでしょうか。
- 「話すことがなければ、今日はこれで切り上げても大丈夫です」
- 話したいことがあればじっくり聴きますし、特になければ短く終わるときもあります。
- 「今回話してもらったことについて、話して満足であればこれで一区切りしますし、何かアドバイスやフィードバックが欲しければ、お伝えします」
- ただ聴いてもらいたいだけの時もあるかと思いますので、望んでないアドバイスをすると、話したくなくなるかもしれません。
面談や1on1の時間を迎えるのが憂鬱になる要素
- 高頻度で実施され続ける
- 事前に話す内容を書いてこさせる
- 面談や1on1を担当する人の興味関心押しつけ
研修・育成が始まって最初の頃は、不安や悩みが多く、毎週のように高頻度で実施することが、新人・後輩の安心感に繋がるかもしれません。
ですが、ある程度時間が経ってくると、段々話したい内容も落ち着いてくると思われます。
そんな状態で毎週実施していると、新人・後輩に「無理矢理話すことを捻り出させる負担」を強いることになっているかもしれません。
新人・後輩がある程度仕事に慣れてきたら、実施頻度も相談して調整していくと、負担が減るのではないでしょうか。
面談や1on1の担当者によっては、事前に話したいことを書いてきてもらうようにしている場合もあります。
これも上記同様に、話したいことがない場合は、新人・後輩に負担を強いることになります。
また、十分に書けていない状態で面談や1on1の時間を迎えると、焦りやプレッシャーが強まるかもしれません。
面談や1on1担当者の興味関心押しつけは、話す内容の自由度を下げる要因になると思われます。
例えば、新人・後輩のこれまでの経歴について担当者が興味を示して質問したとき、新人・後輩側からすると詳しく話せなかったり話したくなかったりすることもあります。
その際、訊かれたら答えないといけないという認識があると、話したくないこと・話せないことを話す展開になり、面談や1on1にネガティブなイメージを持つかもしれません。
目的意識
面談や1on1を実施する際は、何のための時間かというのは、新人・後輩と認識合わせしておきたいものです。
最初の内は、目的を定めずに関係構築をする時間にする場合もあるかと思います。
ただ、新人・後輩から出てくる話が一区切りになった後、目的を定めていないと、どのように面談や1on1の時間を使うかで迷いが生じるかもしれません。
筆者も、最初は目的設定なしで進めていました。
2〜3回目くらいに迷いが生じてきたため、面談や1on1の冒頭に毎回下記を伝えるようにしました。
- この時間の目的
- どのように進めていくか
- 選択権は新人・後輩側にあること
そうすることで、筆者自身が安心して進められるようになりましたし、新人・後輩側も肩の力を抜いて過ごしてもらっているように感じています。