面談や1on1を実施する側が話をする際、自分語りになっていないかアンテナを張る
面談や1on1等、新人・後輩の話を聴く場にて、研修・育成担当者側が自分の話をすることもあるかと思います。
その際、話す量や意図についてアンテナを張りながら、話をしているでしょうか?
ここでは、筆者の研修・育成担当者側の自分語りを回避するためのアンテナの張り方について、記載をしていきたいと思います。
そもそも、面談や1on1は、何のための時間か
筆者は、新人・後輩が自発的・主体的に話をする機会を提供する場だと考えています。
仕事の話でも、それ以外でも。
業務関連の説明・アドバイスは、新人・後輩からのリクエストがない限りは、こちらからしないようにしています。
通常の研修や業務の中で行うものだと位置づけているためです。
話しやすい雰囲気づくり・話の切っ掛けになる問いかけ等のために、こちらから口火を切ることもありますが、新人・後輩が話し始めたら、その話に耳を傾けることに意識を向けています。
聴くだけの姿勢だと、話しづらさに繋がることも
新人・後輩が話しやすい状況であっても、その話がずっと続くとは限りません。
一区切りになったとき、聴く側がずっと新人・後輩の言葉を待つだけだと、「何か話さなければ」というプレッシャーに繋がることもあり得ます。
話を引き出すために質問をする選択肢もありますが、興味本位の質問だと新人・後輩が話したいことから逸れてしまうかもしれませんし、ずっと質問を受け続けるのも負担になるかもしれません。
そこで、聴く側である研修・育成担当者が、少し自分の話をすることで、新人・後輩にとっての内省・休憩時間に繋がると考えます。
問いかけを受けると、どのように答えるかということに意識が向きがちです。
答える必要にない話を聴くのであれば、基本的には聴くだけで良いですし、聴くことで自分の思いや考えが醸成されて、次の話の切っ掛けになるかもしれません。
研修・育成担当者側が自分の話をするときのアンテナの張り方
研修・育成担当者が自分の話をすることが新人・後輩が話し出す切っ掛けになるかもしれません。
筆者も状況に応じて自分の話をすることがあります。
その際、下記2点についてアンテナを張るようにしています。
- 自分語りになっていないか
- 新人・後輩が話をしたそうにしているか
自分語りになっていないか
面談や1on1にて、研修・育成担当者が自分の話をするのは、新人・後輩が話し出す切っ掛けにするためだと考えています。
基本的に聞き流してもらって、何か新人・後輩に響くものがあれば、というくらいの感覚です。
そのため、下記のような思考・感情が生じてきたら、筆者はブレーキを掛けるようにしています。
- 話を聴いてもらうのが心地良い
- 新人・後輩に、自分の話にもっと興味を持って欲しい
このような状態になっていると感じたら、筆者は話の途中であっても
「すみません、長々と話しすぎましたね」
というように断りを入れて、話を中断して新人・後輩の様子を確認するようにしています。
新人・後輩が話をしたそうにしているか
研修・育成担当者の話を聴く中で、新人・後輩が次の話をしたくなることもあるでしょう。
ですが、そうなっても話に割り込んでくることは早々ないと思われます。
繰り返しですが、研修・育成担当者が話をするのは、新人・後輩に話の取っかかりを提供するためです。
筆者が話を聴く側で面談や1on1に臨むとき、自分の話はいつでも中断する心づもりでいます。
話したくなっているかの兆候は人や状況によって違うので、全てをキャッチするのは難しいと考えています。
ですので、「もう少し聴きます? それとも、何か話してみようという感じになっていたりします?」というように時々確認の声かけを挟むように心掛けています。
アンテナを張り続けるのは疲れる。だから予め宣言をしておく
自分の話をするとき、新人・後輩の様子と自分の状態にアンテナを張り続けるのは、負担が大きいと思われます。
研修・育成担当者のその日のコンディションにもよりますが、途中で疲れてアンテナが鈍くなることもあるでしょう。
そこで、予め面談や1on1での在り方・スタンスを宣言しておくことで、新人・後輩の話しやすさに繋がると考えます。
筆者の場合、下記のようなことを宣言しておきます。
- 「こちらが話していても、気にせず割り込んで話をしてもらって大丈夫です」
- 「私の話は、あなたが考える取っかかりになればと思ってのものです。聞き流してもらって構わないです」
実際に、新人・後輩がどう受け取るかは関係性次第ですが、割り込んでも良い・聞き流しても構わない、という認識を持ってもらうだけでも、新人・後輩がその場に居やすくなるのではないかと考えています。
以上のような心構え・工夫で、新人・後輩が話しやすい環境をつくろうと取り組んでいます。